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東北いけばな体験 2014.5.31
  会期:2014年 5月31日(土)
  会場:宮城県気仙沼市の大谷中学校仮設住宅集会所と天ヶ沢仮設住宅集会所

  NPO法人いけばなネットワーク21京都・日本いけばな芸術協会 の共催事業
  後援:シャンティ国際ボランティア会 気仙沼事務所

  参加スタッフ:桑原仙溪、梅田和伸、和田熾瘁B

   2年ぶりに被災地を訪れた。
「NPOいけばなネットワーク21京都」の仲間3人(私、梅田和伸、和田熾瘁jで訪れたのは前回と同じ宮城県気仙沼市の2カ所の仮設住宅。日本いけばな芸術協会との共催事業として、大谷中学校仮設住宅と天ヶ沢仮設住宅の2つの集会所で、いけばな体験&鑑賞会を開催した。

参加は合計48名。
花材は気仙沼の花屋さんから購入し、花、花器、剣山、冊子「こどものいけばな」は協会からプレゼント。
その他の経費はNPOが負担した。

今回も現地のボランティア団体(シャンンティ国際ボランティア会)にお世話になり、当日は会場がいっぱいになる賑わいになった。

前回の訪問を覚えていて下さった人も多かった。
「花に心が癒やされる」と言っていただく。「またやりたい!」。
でも前回訪れてから、残念ながら一度もいけばな教室はなかったそうだ。

ボランティアスタッフの女性から「お花は人気がありますね」との感想をもらう。
仮設住宅の暮らしで孤独にならないようにと、色々なイベント参加を呼びかけても、いつもそんなに多く集まってくださらないとのこと。被災3年目の現実だ。

被災地には人それぞれの悲しみがある。
いったん閉ざされた心をとかすのは容易ではない。子供さんを亡くした親がつどう「つむぎの会」では、花に触れて心を癒やしてもらうことをされていると聞き、今回の残った花をボランティアスタッフに託してきた。

いけばな体験を終えて、世話役のおばさま方がお茶とお菓子でもてなしてくださる。
「あと2年は仮設暮らしなの」。
集団移転の候補地は決まったものの、建設待ち状態だそうだ。
「オリンピックが決まったおかげで、ここを出るのがいつになることやら」
「巨大な防潮堤ができちゃうと海との関わりが絶たれてしまう。それに役人は土木工事をすれば済むと考えてるようだけど、土地が売れる人とそれ以外の人が分断されるだけ。まずしっかりした避難計画をたてるのが先なのに。」
雑談に花が咲く。「帰ったら皆に伝えます!」

過去に何度も津波災害を経験した三陸沿岸。
気仙沼にある「リアス・アーク美術館」では、「東日本大震災の記録と津波の災害史」という常設展示ができていた。
悲惨な現実を記録、検証し、現場から未来に向けてのメッセージを発信している。
同名の図録(800円)は郵送で購入可能なので、是非見てほしい。

「人間だけを自然から切り離してはいけない。人類は自然を畏れ敬い、自然のリズムに身をゆだねて生きてきたはずだ。その永い時間の蓄積を再認する必要がある。」図録より。
ここに編まれた一言一言が胸を打つ。
多くの人と共感できればと思う。

毎回感じることだが、「いけばな」は人と人をつなぐことができる素晴らしい文化なのだということをしみじみと再確認した。これからも被災地に心を寄りそわせる活動を継続していきたいと思う。

桑原仙溪



















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